集中治療部の岩永です。 スウェーデンのストックホルムにあるカロリンスカ大学で行われた4日間のECMO(体外式膜型人工肺)コースに行ってきました。
ECMOは最大の肺保護戦略とも言われており、最重症ARDSを救命する上で人工呼吸管理と併せて必要不可欠な最先端治療です。ここ数年で日本でも普及が著しく正しい治療と成績が求められています。
カロリンスカ大学は世界最大の医科大学として有名ですが、以前よりECMOセンターとしても非常に有名な施設です。1987年にECMOセンターとして設立され、国内だけでなく国外からも重症呼吸不全患者を固定翼で搬送し、多くの症例が集約化されています。日本のECMO治療のパイオニアである竹田先生が取り入れたECMO治療や教育もここカロリンスカ式のものです。 コースは4日間で、ドイツ、イギリス、オランダ、アイスランド、アメリカ、香港、そして日本など多くの国から集中治療医や心臓血管外科医が受講していました。コースの特徴としてはELSO公式のものであり「ELSO公認ガイドライン」や「RED BOOK」を網羅しているのはもちろんですが、カロリンスカ独自の経験に基づく方法や考え、教育方法を直接学ぶことが出来ました。 コース1日目はMaquet社のカーディオヘルプとThoratec社のCentriMag ECMOを使用したシミュレーション。
2日目はECMO導入や管理に関する10時間以上の講義。
3日目は初日と同じく実際の回路を使用したwet labo(回路交換を含めたトラブルシューティングやプライミングなど)。
4日目はレクチャー&ケーススタディーのディスカッションをメインに行いました。
非常に内容が吟味された教育セミナーで受講することをオススメします。
4日間インストラクター含め、各国から集まった集中治療医やECMOのエキスパートと熱いディベートをすることで色んな考え方を学ぶことができました。
そしてECMOの直面している問題や、自分たち日本が位置するべきところも見えてきた様な気がします。
海外研修に行かせていただいた仲間たちに感謝です。
当施設では、海外学会や研修にも積極的に参加してもらい最先端の治療が出来る施設を目指したいと思います。
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