当院の救急集中治療センターでは地域の重症患者の受け入れを日々行なっています。全ての患者診療に最善を尽くしていますが、残念ながら一部の方は高度な脳障害のために意識が戻られない方もおられます。そのような方の中には不可逆的な脳障害である「脳死」の状態に至った場合、さまざまな思いで臓器提供を望まれていた方がおられます。当院では、最後まで全ての方の意思決定を尊重するため脳死下臓器提供が円滑にできる環境作りを推進しています。
2023年9月15日、その一環として「法的脳死判定」のシミュレーションを、当科(集中治療科)が中心的役割を担い院内多部署と共同して行いました。事前にワーキンググループで何度も集まってマニュアル作成や事前練習などの準備を積み重ね、本番では外部の講師の方をお招きしてシミュレーションを行い、当院での体制構築のためのディスカッションも行いました。まだまだ十分な体制構築には時間を要しますが、脳死下臓器提供を希望される方の自己決定権を最大限に尊重させて頂けるように少しずつですが体制作りを進めて行きたいと考えております。
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