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執筆者の写真奈良県総合医療センター 集中治療部

臓器提供ハンズオン

2018年10月14日、北里大学で集中治療医学会ハンズオンセミナーが開催されました。

このうち、「臓器提供シミュレーション 〜ICU医師・スタッフが知っておくべきこと〜」

というハンズオンセミナーのディレクターに当部の岩永医師が抜擢され、多くのインストラクターや日本臓器移植ネットワークの方々を引き合わせて、新しハンズオンを立ち上げることとなりました。


集中治療医学会主催での移植関連セミナー開催は初めてであり、とても注目を浴びていますが、一番誤解を受けることは、我々が患者さんに対して臓器提供をするという選択をして欲しい訳ではありません。

 臓器移植法の改定や医学情報番組などを通し、臓器提供をしたいという意思表示をする方が増えてきており、医療システムと知識が追いついていないため、その方達の希望が通らないといった事例、多くの医療者が、まさかこの患者さんは臓器提供の希望はしていないだろうという昔ながらの考えにより、治療選択肢の確認すらされず看取りとなってしまう場合もあります。

 ICUで働く人であれば誰もが実感している集中治療と終末期医療は背中合わせの状態であるため、重症管理から終末期ケアにどう移行するか、またいつでも患者が最後の選択肢として臓器提供を希望する可能性があるということを多くの集中治療に携わる人にも知って頂こうというのがこのコースのコンセプトです。

 ディレクター自身、実際の臓器提供を何度か経験していること、また世界のICU内での臓器提供事情を見てみると、患者の最後の意思である臓器提供をきちんと達成させるためには、幾つものタイミングで集中治療医師や看護師が専門家として力を発揮しなければなりません。きちんとした臓器保護管理をしないまま提供してしまうと、その後のレシピエントの方に合併症が起こることや、希望していたにも関わらず提供すら出来ない状況が待っています。  第1回となった今回のコースを振り返り、次は学会総会での開催に向け、さらに良いハンズオンセミナーへと改善を図りたいと思います。

ぜひ皆様も1度、ご参加をご検討ください。


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